
糖尿病
「まだ大丈夫」は危険信号
「健康診断で血糖値が高いと言われたけど、特に体調は悪くないから大丈夫だろう」 「忙しいし、自覚症状もないから、病院に行くのは後回しでいいかな…」
もしあなたがそう考えているなら、それは危険なサインかもしれません。糖尿病は、初期にはほとんど症状が現れず、進行して初めて体の不調を感じるようになる「サイレントキラー」と呼ばれる病気です。
多忙な現代社会で働く私たちは、不規則な食生活や運動不足に陥りがちです。それらが積み重なり、気づかないうちに糖尿病のリスクが高まっているケースは決して少なくありません。
放置すると、将来、取り返しのつかない深刻な合併症を引き起こす可能性のある糖尿病。症状がない「今」だからこそ、ご自身の体と向き合い、未来の健康を守るための第一歩を踏み出すことが何よりも重要です。
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あなたの血糖値は正常ですか? — 糖尿病診断マニュアルに基づくチェック
まずは、ご自身の健康診断の結果をもう一度確認してみましょう。日本糖尿病学会の「糖尿病診断マニュアル」[1]に基づく診断基準と照らし合わせ、現在の血糖値がどのような状態にあるのかを客観的に把握することが大切です。
以下のいずれかに当てはまる場合、「糖尿病型」と診断され、糖尿病である可能性が高いと考えられます。
- 空腹時血糖値(10時間以上食事をとっていない状態で測定した血液中のブドウ糖の濃度):126mg/dL以上
- HbA1c(過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖値を反映):6.5%以上
- ブドウ糖負荷試験2時間値(ブドウ糖を摂取した2時間後の血糖値):200mg/dL以上
- 随時血糖値(任意の時間の血糖値):200mg/dL以上
以下のいずれかに当てはまる場合、「境界型」、いわゆる「糖尿病予備軍」と診断されます。
- 空腹時血糖値:110mg/dL以上126mg/dL未満
- ブドウ糖負荷試験2時間値:140mg/dL以上200mg/dL未満
- HbA1c:6.0%以上6.5%未満
これらの数値に一つでも心当たりがある方は、症状がなくても既に糖尿病が進行しているか、将来糖尿病を発症するリスクが非常に高い状態にあると言えます。「境界型」の段階であれば、生活習慣の改善によって糖尿病の発症を予防したり、遅らせたりすることが十分に可能です。
糖尿病とは? 全身を蝕む高血糖のメカニズム
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)濃度が慢性的に高くなる病気です。食事から摂ったブドウ糖は、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。しかし、このインスリンの分泌量が不足したり、インスリンがうまく働かなくなったりすると(インスリン抵抗性)、ブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中にだぶついて血糖値が高い状態が続いてしまうのです。
糖尿病にはいくつかのタイプがありますが、日本人の糖尿病の約90%を占めるのが「2型糖尿病」です[2]。これは、遺伝的な要因に加えて、食べ過ぎ、運動不足、ストレスといった生活習慣が複合的に絡み合って発症します。
高血糖の状態が長く続くと、全身の血管や神経、そして臓器が少しずつダメージを受けていき、やがて様々な合併症を引き起こす原因となります。
糖尿病が引き起こす様々な合併症
糖尿病の本当の恐ろしさは、血糖値が高いことそのものよりも、それが引き起こす合併症にあります。合併症は、あなたの生活を脅かし、最終的には命に関わることもある深刻な病態です。
特に警戒すべきは「三大合併症」と呼ばれる以下の3つです[3]。
- 糖尿病神経障害: 高血糖により末梢神経が傷つき、手足のしびれや痛み、感覚麻痺(特に足の裏の感覚が鈍くなる)が起こります。進行すると、足の小さな傷に気づかず悪化させ、最終的に足先の組織が死んでしまい(壊疽)、最悪の場合、足を失う(切断)ことにつながるリスクがあります。また、自律神経にも影響が及び、立ちくらみ、ED(勃起不全)、胃腸の不調などを引き起こすこともあります。
- 糖尿病網膜症: 目の奥にある網膜の細い血管が高血糖によって傷つき、出血や網膜剥離などを引き起こします。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると視力低下を招き、最悪の場合、失明に至ることもあります。
- 糖尿病腎症: 腎臓のフィルターの役割を果たす細い血管(糸球体)が高血糖で障害され、老廃物をろ過する機能が低下します。初期には症状がありませんが、進行すると体がむくみ、最終的には腎臓がほとんど機能しなくなり、週に数回の透析治療が必要となります。
さらに、糖尿病はこれらの三大合併症以外にも、全身に様々な悪影響を及ぼします。
- 大血管障害: 心臓や脳、足といった太い血管の動脈硬化を促進し、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症(足の血管が詰まる)などの致死的な病気を引き起こすリスクが高まります。
- 歯周病: 糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼし、どちらかの病気があると他方も悪化しやすくなります[4]。
- 認知症: 糖尿病患者は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症のリスクが高いことが示唆されています[5]。
これらがすべて、自覚症状のないうちに静かに進行している可能性があるのです。

なぜあなたは糖尿病に?
糖尿病は、一つの原因で発症するわけではありません。様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています[6]。
- 生活習慣の要因: 最も大きな影響を与えるのが、日々の生活習慣です。
- 食べ過ぎ: 特に高カロリーな食事、糖質の多い食事、不規則な食事時間などが膵臓に負担をかけます。
- 運動不足: 運動不足は、インスリンの効きを悪くするインスリン抵抗性を高め、血糖値が下がりにくくなります。
- 喫煙・過度な飲酒: 血管にダメージを与え、インスリンの働きを阻害する可能性があります。
- 遺伝的要因: 親や兄弟に糖尿病の人がいる場合、そうでない人に比べて糖尿病を発症するリスクが高まることが知られています。これは、糖尿病になりやすい体質を受け継いでいる可能性があるためです。
- ストレス・環境要因: 多忙なビジネスパーソンに多いのが、慢性的なストレスや生活リズムの乱れです。
- ストレス: ストレスを受けると、血糖値を上げるホルモン(アドレナリンやコルチゾールなど)が分泌され、血糖コントロールを悪化させる可能性があります。
- 睡眠不足: 睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲を増進させたり、インスリン抵抗性を高めたりすることが報告されています。

予備軍の段階で食い止める
糖尿病は一度発症すると完治が難しい病気ですが、予備軍の段階であれば、適切な対策で発症を食い止めたり、進行を遅らせたりすることが十分に可能です。また、既に糖尿病と診断されている方も、生活習慣の見直しは治療の基本となります。
MIZENクリニックでは、一人ひとりの患者様に寄り添い、無理なく継続できる予防・早期対策を共に考えていきます。
当院の予防サポート
- 個別化された生活習慣指導:医師が患者様お一人おひとりの生活スタイル、食習慣、運動習慣を丁寧にヒアリング。実現可能な目標を一緒に設定し、具体的なアドバイスを提供します。
- 食事: 「野菜から先に食べる」「ゆっくりよく噛む」「食べ過ぎない」といった基本に加え、「緩やかな糖質制限(ロカボ)」の考え方もご提案します。無理なく続けられる低糖質メニューの選び方や、食後の血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を防ぐための具体的な工夫について、分かりやすく指導します。
- 運動: ウォーキングなどの有酸素運動と、筋肉量を増やす筋力トレーニングの組み合わせが効果的です。多忙な中でも「座りっぱなしを防ぐ」「一駅歩く」「食後15分~1時間後に軽い運動をする」など、日常生活に取り入れやすい運動習慣を提案します。
- フリースタイルリブレを活用した日々の血糖値「見える化」:腕に装着する小さなセンサー「フリースタイルリブレ」を用いることで、24時間リアルタイムで血糖値の変動を可視化できます。
自身の体の反応を具体的に把握することで、より効果的な生活改善につながり、モチベーション維持にも役立ちます。このデータをもとに、医師が個別に詳細なアドバイスを行います。 - ストレス管理のアドバイス: 血糖値へのストレスの影響を解説し、リラックス法や考え方を変えるヒントなど、ストレス軽減のための具体的な方法について助言します。必要に応じて心療内科との連携も視野に入れ、心の健康もサポートします。
- 定期的な検査とモニタリング: 定期的な血糖値、HbA1c、体重などのチェックを通じて、ご自身の努力や予防効果を見える化し、継続的なモチベーション維持をサポート。早期の異常変化を見逃さず、適切なタイミングで次のステップへ移行できるよう管理します。

無理なく継続できる個別化された治療
もし糖尿病と診断されたとしても、心配はいりません。MIZENクリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた継続できる治療を通じて、血糖値を良好にコントロールし、合併症の発症・進行を防ぎ、健康寿命を延ばすことを最大の目標としています。
MIZENクリニックの治療方針
- 生活指導を重視: 薬物療法だけでなく、患者様のライフスタイルに合わせた無理のない食事・運動指導を丁寧に実施します。日々の生活の中で実践できる具体的なアドバイスを通じて、根本的な改善を目指します。
- 個別最適化された薬物療法: 患者様の病態(インスリン分泌能やインスリン抵抗性の状態)、合併症の有無、年齢、生活スタイルなどを総合的に判断し、最適な治療法を選択します。
- 経口薬(飲み薬)治療: SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬など、最新の知見に基づいた多様な薬剤の中から、最も効果的で副作用の少ないものを厳選します。これらの薬剤は、血糖降下作用だけでなく、心臓や腎臓の保護効果も期待できるものがあります。
- インスリン注射治療: 経口薬だけでは血糖コントロールが難しい場合や、インスリン分泌能が著しく低下している場合など、必要に応じてインスリン注射治療も行います。患者様の負担を最小限に抑えつつ、専門的な指導のもとで安全かつ効果的な治療を進めます。
MIZENクリニックの強み
- 通いやすい診療体制: お仕事などで忙しいビジネスパーソンの皆様が治療を中断しないよう、平日夜間21時30分まで診療しています。さらに、オンライン診療も積極的に活用することで、場所や時間にとらわれずに継続的な治療を受けられる環境を整えています。
- 心療内科との連携による包括的なケア: 糖尿病はストレスと密接に関わっており、治療への不安を抱える方も少なくありません。当院では、内科医と心療内科医が連携し、身体的な治療と並行して、糖尿病の背景にあるストレスや心理的な問題にもアプローチします。精神的なサポートも行うことで、治療の継続を強力に支えます。
- 個別化された治療計画: 一方的な治療の押し付けではなく、医師と患者様が一緒に目標設定を行い、納得感を持って無理なく続けられる治療計画を作成します。患者様との対話を重視し、気軽に相談できる関係性を大切にしています。
糖尿病は、早期の対策が何よりも重要な病気です。 「健康診断で血糖値を指摘されたけど、まだ症状がないから…」と一人で悩まずに、まずはMIZENクリニックにご相談ください。
あなたの健康と将来を守るために、当院が全力でサポートいたします。
【参考文献】
- 日本糖尿病学会 編. 『糖尿病診断マニュアル』. 2025年. https://human-data.or.jp/wp/wp-content/uploads/2025/03/DMmanual_2025.pdf
- 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会. 「生活習慣病の調査・統計」. https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010775.php
- 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター. 「合併症」. https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/index.html
- 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編. 『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版』. 2023年. https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_diabetes_2023.pdf
- 九州大学大学院医学研究院 環境医学分野. 「糖尿病」. 久山町研究. https://www.hisayama.med.kyushu-u.ac.jp/research/disease05.html
- 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター. 「糖尿病とは」. https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/010/010/01.html


